慢性の痛みに対するリハビリテーションとは
身体の一部に痛みが生じ、それをかばうような姿勢や動作を長く続けていると、他の部位の筋肉や関節にも負荷がかかり、さまざまな不調を引き起こすことがあります。
また、痛みが長期間持続することにより、脳に痛みに関わる回路が作られてしまい、本来は痛みを起こすような刺激ではなくても痛みを感じたり、脳が痛みを記憶して、いつまでも痛みを認識し続けてしまうことがあります。
このような悪循環を断ち切るために、リハビリテーションを実施して、身体機能や構造の不具合など痛みの原因の改善を図ります。
慢性の痛みの治療では、完全に痛みを取り除くことが難しい場合もあります。関節・筋肉・神経などの機能をできるだけ改善し、「痛みにとらわれることなく日常生活を送ることができること」「痛みをセルフマネジメント(自己管理)しながら、人生を楽しむことができること」を目指して治療を行います。
当院の取り組み
常勤の理学療法士が個別に問診・評価を行い、患者様の状態に合わせて治療やホームエクササイズの指導を行っています。
運動療法(徒手療法・動作訓練など)、物理療法(電気治療)により、痛みの軽減や生活の質(QOL)を改善していくサポートをします。
例)慢性腰痛
腰痛も、長い期間痛みに悩んでおられる方が多い疾患のひとつです。一般的には3ヶ月以上持続している腰痛を慢性腰痛と呼びます。筋肉・筋膜・関節・椎間板・神経などが原因となり、痛みを引き起こしています。そして、仕事・家事・趣味などで負担のかかる姿勢や動作が続くことで、痛みが長引きやすい特徴があります。
症状によって、「台所に立って炊事ができる」「少しでも長く歩行できるようになる」「軽いストレッチを取り入れながらデスクワークを継続できる」などを目標に下記のような介入を行っています。
- 問診
痛みのパターン(痛みの部位、増悪/緩解する姿勢や動作の有無、神経症状の有無など)、生活歴、既往歴など - 理学療法評価
筋肉/関節/神経などの状態、姿勢・動作パターンなど - 治療
徒手療法(リラクセーションやストレッチなどの筋肉/関節/神経などへのアプローチ)、姿勢・動作指導、ホームエクササイズ指導(ストレッチ、筋力強化訓練など)、物理療法など